最近こんなことありませんか?
「体のラインが崩れてきた…」
「痩せてみえるけど、服を脱いだら実は…」
「健康診断で体脂肪率高めと言われて驚いた」
もしかしたら、それは「隠れ肥満」かもしれません。
隠れ肥満とは、体重やBMIが標準でも体脂肪率が高く、筋肉量が少ない状態のこと。見た目では気づきにくい分、気がついたときには健康リスクが進行している可能性もあります。
この記事では、隠れ肥満の原因やリスク、そして筋肉を育てながら脂肪を減らすダイエット方法を解説します。
外見も体の中も、無理なく整えていきましょう。
女性の隠れ肥満とは?
隠れ肥満は、BMI(体格指数)は標準でも体脂肪率が高く筋肉量が少ない状態です。「サルコペニア肥満」とも呼ばれます。
特に見ていきたいのは筋肉量指数のFFMIです。
BMIが正常範囲(18.5〜24.9)でも、
FFMIが16未満だと、
隠れ肥満の可能性が高くなります。
隠れ肥満は、見た目は太ってみえないため、自分もまわりも気づきにくいのが特徴です。
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女性に多い!隠れ肥満になる主な原因
隠れ肥満は、複数の生活習慣や体質的な要因が重なって起こります。特に女性は、ライフスタイルやホルモンの影響を受けて、隠れ肥満になりやすい傾向があります。隠れ肥満を引き起こす主な原因を以下で紹介します。
- 無理なダイエットや偏った食生活
- 運動不足
- 加齢やホルモンバランスの変化
順番に見ていきましょう。
無理なダイエットや偏った食生活
「炭水化物を一切抜く」「サラダだけで過ごす」といった極端なダイエットは、確かに体重は減るかもしれません。しかし、筋肉の材料であるたんぱく質や代謝を支える栄養素が不足し、筋肉量も減ってしまいます。
基礎代謝も落ち、脂肪を溜め込みやすい体質へと変わっていきます。結果、見た目は痩せているのに、内側は脂肪だらけという「隠れ肥満」状態に・・・。
スナック菓子や加工食品、ファストフード中心の食生活も、脂質や糖質の過剰摂取につながり、隠れ肥満を加速させます。
また、食が細くなった高齢者も注意が必要です。たんぱく質やその他の必要な栄養素の摂取が不足し、隠れ肥満を招きます。
運動不足
日常生活で体を動かす機会が少ないと、筋肉は使われずに衰えていきます。特に、デスクワーク中心の仕事や車移動が多い生活では、歩く・立つ・階段を上るといった基本的な動作すら減りがちです。特に女性は男性に比べて、どの年代でも運動量が少ないという厚生労働省の調査結果もあります。
こうした習慣が続くと、消費カロリーは減少し、筋肉量も落ち、基礎代謝も下がっていきます。気づかないうちに「太りやすく痩せにくい体」になり、隠れ肥満へとつながってしまうのです。
加齢やホルモンバランスの変化
年齢を重ねると、誰でも少しずつ筋肉量が減少し、それにともなって基礎代謝(何もしなくても消費されるエネルギー)も低下していきます。
特に30代後半から40代にかけては、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が徐々に減少し始め、脂肪をため込みやすく、筋肉量が減少していきます。
放置は危険!隠れ肥満が引き起こす女性の健康リスク
「見た目が普通なら大丈夫」と思いがちですが、実は隠れ肥満は、見た目以上に深刻な健康リスクをはらんでいます。体の内側で脂肪がじわじわと蓄積され、将来的に重大な病気につながることも少なくありません。
隠れ肥満の具体的なリスクは以下のとおりです。
- 生活習慣病のリスクが上がる
- 免疫力・代謝が低下する
- 見た目の老化が進む
ひとつずつ解説していきましょう。
生活習慣病のリスクが上がる
筋肉量が少なく、内臓脂肪が多い体は、血糖や血圧、コレステロールのバランスが崩れやすくなります。これにより、糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病の発症リスクが大きく上昇します。
隠れ肥満は、脳卒中、大腸がんや肝臓がんなどの一部のがん、さらには認知機能低下と関連していると指摘する研究もあり、将来的な健康リスクが高い状態です。
免疫力・代謝が低下する
筋肉は、体温の維持や免疫機能のサポートにも関与しているため、筋肉量が減ると体温調節能力が低下し、冷えを感じやすくなります。また免疫機能への影響から体調を崩しやすくなる恐れもあります。さらに基礎代謝も低下するため、日常的な疲れやすさ・だるさが生じやすくなるでしょう。
見た目の老化が進む
筋肉が衰えると体を支える力が弱まり、姿勢が悪くなったり、関節や腰への負担が増加したりします。体のラインにも変化が現れ、実年齢よりも老けて見える傾向があります。また、筋肉量の減少は血流や代謝にも影響を与え、これが肌のハリの低下など見た目の変化に関連することもあります。
このような外見の変化は自己イメージや自信に影響を与え、心の健康にも関わりかねません。
隠れ肥満の女性におすすめのダイエット【食事編】
隠れ肥満の解消には、ただ体重を減らすだけのダイエットでは不十分です。大切なのは、筋肉を維持しながら脂肪を減らすこと。栄養バランスを考えた食事が必要になります。
- たんぱく質をしっかり摂る
- 良質な炭水化物を選ぶ
- その他の栄養素もバランスよく摂取する
- 水分補給もしっかり行う
順番に説明していきます。
たんぱく質をしっかり摂る
筋肉の材料となるたんぱく質は、ダイエット中こそ積極的に摂るべき栄養素。厚生労働省によると。18歳以上女性のたんぱく質摂取推奨量は1日50gです。筋肉を効率的に育てるために、1日50~60g程度の摂取を心がけましょう。
たんぱく質を多く含む食品は、以下のとおりです。
食品名 | たんぱく質量(100グラムあたり) |
鶏ささみ(生) | 24.6グラム |
きはだまぐろ(生) | 24.3グラム |
卵 | 12.2グラム |
黄大豆(ゆで) | 14.8グラム |
引用元:文部科学省|食品データベース
一度に摂らずに、朝昼晩の3食で均等にたんぱく質を摂ることがポイントです。体内に一定期間たんぱく質がないと筋肉の分解が進み、筋肉量が減少してしまうためです。
良質な炭水化物を選ぶ
ダイエット中でも、炭水化物を抜くのは逆効果です。炭水化物を極端に制限すると、体はエネルギー不足を補うため筋肉を分解してしまいます。
ポイントは良質な炭水化物を選ぶこと。玄米、全粒粉パン、そば、芋類などがおすすめです。食物繊維が豊富で血糖値の上昇も緩やかなため、脂肪が蓄積されにくい利点があります。腹持ちも良く、ダイエット中の空腹感を和らげるのに役立ちます。
白米や菓子パンは血糖値を上昇させやすく、インスリンが過剰に分泌され、糖が脂肪として蓄積されやすいため、過剰摂取しないよう心がけましょう。
その他の栄養素もバランスよく摂取する
筋肉を育て脂肪を燃焼させるには、たんぱく質や炭水化物だけでなく、他の栄養素もバランスよく摂ることが大切です。
特に、良質な脂質は、エネルギー源、細胞膜やホルモンの構成要素として体の機能維持に不可欠です。青魚、アボカド、ナッツ類、オリーブオイルなどを適量摂りましょう。一方、揚げ物や加工食品に多いトランス脂肪酸や飽和脂肪酸は控えるべきです。
また、体の調子を整え代謝を促すビタミン・ミネラル、腸内環境を整え栄養吸収を助ける食物繊維も重要です。これらは、緑黄色野菜やきのこ類、海藻類に豊富に含まれます。「ベジファースト」を実践すると、血糖値の急上昇抑制も期待できるため、おすすめです。
バランスのよい食事は、ダイエット効果を高め、隠れ肥満解消への一歩となります。
水分補給もしっかり行う
見落とされがちですが、水分補給も「筋肉を育てる」ダイエットにおいて非常に大切です。人間の体の約60~70%は水分で構成されており、筋肉もその多くが水分です。
水分は、栄養素や酸素を体の隅々まで運び、老廃物を排出する役割を担っています。また、体温調節や代謝のプロセスにも深く関わっており、水分が不足すると血流が悪くなり、筋肉への栄養供給が滞るだけでなく、疲労回復の遅れやパフォーマンスの低下にもつながります。
そのため、1日に1.5リットルから2リットルを目安に、こまめに水を飲む習慣をつけましょう。特に運動前後や起床時、入浴後などは意識して水分補給してください。
隠れ肥満の女性におすすめのダイエット【運動編】
隠れ肥満の解消には、食事改善と並行して運動を取り入れることが不可欠です。特に、筋肉を育てながら効率よく脂肪を燃やすためには、筋力トレーニング(筋トレ)と有酸素運動を組み合わせるのが最も効果的な方法といえるでしょう。
筋トレ
筋トレは、筋肉量を増やし基礎代謝を上げる重要な運動です。筋肉は活動していない時もエネルギーを消費するため、筋肉量が増えると自然とカロリー消費量が増え、太りにくい体になります。
自宅でも手軽に始められる代表的な筋トレメニューを紹介します。
スクワット
スクワットは、下半身の大きな筋肉(太ももやお尻)を鍛えられるため、隠れ肥満解消におすすめの筋トレです。
全身の筋肉の約7割は下半身に集中しており、下半身を鍛えると効率よく筋肉量が増えます。基礎代謝が上がり、脂肪が燃えやすい体になります。
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10~15回を1セットとし、2~3セットを目安に行いましょう。
プランク
プランクは、腹筋や背筋、お尻の筋肉など、体幹を強化できます。体幹が安定すると、正しい姿勢を保ちやすくなり、ぽっこりお腹の解消や腰痛予防につながります。
また、全身の筋肉を使うため、エネルギー消費が多く、基礎代謝向上にも貢献します。特別な動きがないため、運動が苦手な方も始めやすい筋トレメニューです。
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2~3セット行いましょう。
筋トレは週2~3回、毎日ではなく1日おきに行うのが効果的です。筋肉が回復し成長するための休息時間を設けることが必要なためです。
有酸素運動
有酸素運動は、脂肪を効率よく燃焼させます。継続することで心肺機能も高まり、疲れにくい体づくりにも役立ちます。
おすすめの有酸素運動の一例です。
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自分の好みやライフスタイルに合わせて、無理なく楽しみながら続けられる有酸素運動を見つけましょう。
ポイントは「ややきつい」と感じるくらいの強度を保つこと。ややきつい強度の状態で20分以上続けると、脂肪がエネルギーとして消費されやすくなります。
また、効果を高めるには、筋トレの後に有酸素運動を行うのがおすすめです。筋トレによって成長ホルモンが分泌され、脂肪が分解されやすい状態になっているため、その後の有酸素運動で効率よく脂肪を燃焼させられるのです。
隠れ肥満の女性におすすめのダイエット【生活習慣編】
隠れ肥満を解消するダイエットには、食事や運動だけでなく、日々の生活習慣の見直しも欠かせません。なぜなら、毎日の小さな積み重ねが、体の代謝やホルモンバランスに大きな影響を与えているからです。
質の高い睡眠
まず注目したいのが睡眠です。睡眠不足は、せっかく行ったトレーニングによる筋肉の回復を妨げるだけでなく、食欲をコントロールするホルモンのバランスを崩し、食べ過ぎを引き起こすこともあります。
健康的な体づくりのためには、最低でも6〜7時間の睡眠時間を確保しましょう。
ストレスケア
「ストレスをためない」ことも重要です。ストレスが慢性的に続くと「コルチゾール」というホルモンの分泌が増え、食欲が増進されたり、脂肪をため込みやすい体質になったりします。
忙しい毎日の中でも、自分なりのリラックス方法を見つけておくことが大切です。
規則正しい生活リズム
「規則正しい生活リズム」を心がけることも大切です。食事の時間や寝る時間がバラバラだと体内時計が乱れてしまいます。体内時計の乱れは、代謝の低下やホルモンバランスの崩れを引き起こし、痩せにくい体質につながる恐れがあります。
できるだけ毎日同じ時間に食事をする、寝る時間・起きる時間を一定にするなど、基本的なことを心がけるだけでも、基礎代謝や自律神経の働きが整い、健康的な体づくりに役立つのです。
隠れ肥満のダイエットに成功して体も心も整った女性へ
隠れ肥満は「見た目では分かりにくい」からこそ、気づかないうちに進行し、放置すると健康リスクを高めてしまう恐れがあります。
「食事」「運動」「生活習慣」の3本柱を意識したダイエットで筋肉を育て、体を整えていきましょう。
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参考:
日本生活習慣病予防学会|令和5年(2023)「国民健康・栄養調査」結果
厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020 年版)p.126
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