「体重は標準、BMIも問題ないはずなのに、なんだかぽっちゃりしている…」
「ダイエットしているのに一向に見た目が変わらない…」
多くの女性が抱える体型に関する疑問。体重やBMIだけを気にしていても、理想のボディラインにはなかなか近づけません。
実は、見た目の印象を左右するのは「体脂肪率」と「筋肉量」のバランス です。健康的で引き締まった体を目指すなら、BMIだけでなくFFMI(除脂肪体重指数)や体脂肪率に注目することが不可欠です。
こちらの記事では、女性の体脂肪率ごとの見た目の変化、BMIとFFMIの正しい見方、そして効果的に体脂肪率を落とすにはどうすれば良いかを解説します。さらに「頑張っても見た目が変わらない」悩みを解決する鍵となる姿勢や骨格改善の大切さもお伝えします。
数字に振り回されず、自分が理想とするボディラインを手に入れるヒントを知ってください。
BMIだけでは不十分?FFMIで知る理想の体型バランス
ダイエットの指標として一般的なBMIですが、見た目を重視する場合、BMIだけで判断するのは不十分です。
BMIとは?BMIが抱える指標の限界は?
BMI(ボディマスインデックス)は、体重(kg) ÷[身長(m) × 身長(m)] で算出される体格指数。おおまかな体格を把握するために使われる指標ですが、実は限界もあります。
最大の問題は、体重と身長だけで計算されるため、筋肉と脂肪の割合を反映できないことです。同じ身長・体重であれば、筋肉質で引き締まった人と脂肪が多い隠れ肥満の人が、同じBMI値になるのです。
たとえば、トレーニングによって筋肉が増えて体重が増加し、BMIが高くなったとしても、それは健康的な変化です。一方で、BMIが標準値でも筋肉量が少なく脂肪が多ければ、たるんで見えたり隠れ肥満の可能性があったりします。
「痩せているのに体に締まりがない」と感じる場合、その原因はBMIでは見えない体組成バランスにあるかもしれません。見た目や健康状態を正しく把握するには、BMIだけに頼らない視点が必要です。
FFMIとは?筋肉量を数値化する新しい体型指標
BMIではわからない「筋肉量」を数値化できるのが、FFMI(Fat Free Mass Index:除脂肪体重指数)です。
FFMIは、除脂肪体重(kg)÷[身長(m) × 身長(m)] で計算されます。体重から脂肪を除いた「除脂肪体重(筋肉・骨・内臓など)」をもとに算出され、体の筋肉量を評価するのに適した指標です。
筋肉は、体を引き締めるだけでなく、基礎代謝を高めて脂肪を燃やす働きがあります。そのため、体重だけを落として筋肉が減ってしまうと、代謝が下がり、太りやすい体質(リバウンド体質)になるリスクもあるのです。
こうした理由から、筋肉量を評価できるFFMIは「脂肪を落としながら筋肉を維持する・強化する」ための鍵となる指標になります。
トレーニングやダイエットでしっかり成果を出したい方、引き締まったボディラインを目指したい方は、BMIだけでなくFFMIにも注目してみましょう。
BMI・FFMI・体脂肪率の測定方法と理想値
理想的な体型を目指すには、BMIだけでなく、FFMIや体脂肪率をバランスよく見ることが大切です。
それぞれの数値には「健康」や「見た目の引き締まり具合」を判断するための役割があります。下記計算式を使って、実際に自分の数値を測定してみましょう。
BMIの目安
BMI(ボディマスインデックス)は、体格を数値で判断する際の基本的な指標です。
以下は、日本肥満学会が定めるBMIの判定基準です。
BMI | 判定 |
18.5未満 | 低体重 |
18.5以上25未満 | 普通体重 |
25.0 以上 30.0 未満 | 肥満(1度) |
30.0以上35.0未満 | 肥満(2度) |
35.0以上40.0未満 | 肥満(3度) |
40.0以上 | 肥満(4度) |
日本肥満学会によると、BMI22が最も疾病リスクが低い「理想値」とされています。
一方、厚生労働省の国民健康・栄養調査(2019年)では、日本人女性の平均BMIは以下のとおりです。
年代 | 平均BMI値 |
20代 | 21.0 |
30代 | 21.7 |
40代 | 22.3 |
50代 | 22.4 |
60代 | 23.1 |
70代 | 22.9 |
どの年代でも、おおよそBMI22前後となっており、平均的には理想に近い数値といえます。とはいえ、BMIはあくまでも「身長と体重」だけをもとにした指標であり、筋肉と脂肪のバランス(体組成)はわかりません。
見た目や健康状態を正しく判断するには、FFMIや体脂肪率など、他の指標もあわせてチェックしましょう。
FFMIの目安
FFMI(除脂肪体重指数)は筋肉量を評価するための指標で「体が引き締まっているかどうか」を数値で確認できるのが特徴です。
以下は、女性のFFMIの目安です。
FFMI | 筋肉量の目安 | 体型イメージ |
14未満 | 平均以下の筋肉 | やせ型・メリハリがない印象 |
14~15 |
筋肉量が少し足りない | 筋肉量が少し足りない |
15~16 | 標準 | スリムで健康的な印象 |
16以上 | しっかり筋肉がある | 引き締まった体つき・メリハリ体型 |
BMIが標準でも、FFMIが低ければ「筋肉が少ない」=「隠れ肥満」の可能性があります。
逆に、BMIが少し高めでもFFMIが高ければ筋肉質で引き締まった健康的な体型といえるでしょう。
トレーニングやダイエットをしている方は、FFMIを定期的にチェックすることで、体の変化をより正確に把握できます。
女性の体脂肪率の目安
体脂肪率は、全体重に占める脂肪の割合を示す指標です。体脂肪率(%)=脂肪量(kg)÷体重(kg)×100で表されます。
体脂肪が多すぎると、生活習慣病や関節への負担といった健康リスクが高まります。逆に少なすぎると、ホルモンバランスの乱れや冷え性の原因になることもあります。
厚生労働省や日本肥満学会では体脂肪率の基準は明確に示されていませんが、一般的に広く用いられている目安は以下のとおりです。
体脂肪率 | 判定 |
〜20% | 低い |
20〜29% | 標準 |
30%~ | 高い |
女性らしい丸みを保ちながら、健康的で引き締まった体型を目指すなら、体脂肪率は20〜25%前後が理想的です。
体脂肪率で女性の見た目はどう変わる?数値別解説
体脂肪率が数%変わるだけで、女性の体型や見た目の印象は大きく変化します。
ここでは、体脂肪率の数値ごとに「見た目の特徴」や「どんな体型に見えるか」を詳しく紹介します。
〜17%:アスリートのように引き締まった体型
体脂肪率が17%以下の女性は、かなり筋肉質で脂肪が少ない状態です。腹筋がくっきり見えるほど引き締まっており、二の腕や太ももにも脂肪がほとんどついていません。陸上競技等を行う女性アスリートに多い体型です。
女性らしいふくらみややわらかさが感じにくくなるため「美しさ」よりも「ストイックな印象」が強くなりがちです。健康面では月経不順などのリスクが高まる可能性があります。
18〜20%:スリムで引き締まった“理想に近い”ライン
体脂肪率18〜20%は、引き締まっていながら、女性らしさもやや感じられるバランスの良い体型です。ウエストは細く、太ももやヒップもスッキリしていて、全体的にシャープな印象になります。
このゾーンは、モデルやダンサーの女性に多く「痩せすぎず、スタイルも良く見える」体脂肪率といえるでしょう。
21〜24%:健康的かつ女性らしい理想的な見た目
体脂肪率21〜24%は、見た目の美しさと健康のバランスがもっとも良いゾーンです。ウエストはくびれ、バストやヒップにはほどよく丸みがあり、服のシルエットもきれいに見えるのが特徴。体脂肪が少なすぎないことで、肌や髪のツヤも保ちやすくなります。
女性の体脂肪率の「理想値」として、もっとも多くの人におすすめされているゾーンです。
25〜29%:ややぽっちゃり・脂肪が目立ち始める体型
このゾーンに入ると、お腹・腰回り・太もも・二の腕などに脂肪がつき始め、全体的に丸みのある体型になります。
「体重はそこまで重くないけど、服を着るとピタッとしすぎて気になる…」という印象を受けやすくなります。
健康面で大きな問題はありませんが、引き締まった印象を出したい方にとっては「痩せたい」と感じ始めるゾーンでもあります。
30%以上:ぽっちゃりから肥満傾向へ
体脂肪率が30%を超えると、脂肪の重さが見た目にもしっかり表れ、動作や姿勢にも影響が出やすくなります。
顔まわりや二の腕が丸く見え、下腹が前に出る体型になるため「だらしなく見えてしまう」と感じる方も少なくありません。
また、体脂肪率が30%を超えると、内臓脂肪の増加や生活習慣病のリスクも高まるため、健康面からも見直しが必要なゾーンといえるでしょう。
ただし、同じ体脂肪率でも、筋肉量や骨格、脂肪のつき方によって、見た目には個人差があります。体脂肪率はあくまで目安のひとつとして捉え、数字にとらわれすぎず、自分の体と向き合うことが大切です。
女性の体脂肪率が高くなる原因
女性は男性に比べて、体脂肪がつきやすい傾向があります。以下は、女性の体脂肪率が高くなりやすい主な原因です。生理的・生活習慣上の要因が複数重なっています。
原因 | 内容 |
加齢 | 年齢とともに基礎代謝が低下したり、女性ホルモンが減少したりして、脂肪がつきやすい体質になる |
運動不足 | ・活動量の減少により消費カロリーが減り、筋肉が衰える
・代謝が落ちて、脂肪がたまりやすくなる |
姿勢の悪さ | 猫背・反り腰などで血流やリンパの流れが悪くなり、脂肪が蓄積される |
食生活の乱れ | ・たんぱく質の摂取が不足すると筋肉が減る
・高脂肪・高糖質の食事や加工食品の摂取で脂肪が増える |
睡眠不足・ストレス | 自律神経が乱れ、食欲のコントロールが難しくなり、脂肪がつきやすくなる |
上記の要因が重なることで、気づかないうちに体脂肪率が上昇してしまうケースは少なくありません。
そこで次章では、こうした原因にアプローチしながら、健康的に体脂肪を落とす具体的な方法をご紹介します。
体脂肪率を下げて引き締める!おすすめの5つの方法
体を引き締め理想のボディラインを手にするには、体脂肪率を落とすしかありません。以下の5つのポイントを意識して体脂肪率を落としましょう。
1. 食事は「高たんぱく・低脂質・適正糖質」を意識する
体脂肪を減らすためには、摂取カロリー < 消費カロリーが基本です。ただし、筋肉を落とさずに脂肪だけを落とすためには、たんぱく質の確保がカギになります。毎食、鶏むね肉、ささみ、赤身肉、魚、大豆製品、卵などを積極的に摂りましょう。
脂質は質と量に注意し、青魚、ナッツ、オリーブオイルなど良質な脂を適量に摂取してください。
また、糖質は極端に減らすのではなく、玄米や全粒粉パンなどから適量の糖質を摂っていきましょう。
2. 有酸素運動と筋トレで脂肪燃焼を加速させる
体脂肪率を下げるには、食事とあわせて運動も欠かせません。特に有酸素運動と筋トレの組み合わせが効果的です。
有酸素運動は、ウォーキングやジョギング、水泳などを週2〜3回以上行うと脂肪が燃焼しやすくなります。
筋トレでは、スクワットやプランクなど大きな筋肉を使う動きがおすすめです。筋肉が増えることで基礎代謝が上がり、痩せやすい体になります。
効率的に脂肪を燃やしたい場合は、筋トレのあとに有酸素運動を行うと効果が高まります。
3. 規則正しい生活を送る
体脂肪を落とすには、生活リズムを整えることも大切です。ホルモンバランスや自律神経が乱れると、代謝が低下し脂肪が蓄積しやすくなります。
毎日同じ時間に寝起きし、7時間程度の質の高い睡眠を確保しましょう。寝る前のスマホ使用は控えるのが理想です。
また、ストレスは暴飲暴食や脂肪増加の原因にもつながります。ゆったりと湯船に浸かる、音楽を聴くなど、自分なりのリラックス法で心身を整えましょう。
4. こまめな水分補給を行う
水分不足は代謝を低下させ、老廃物の排出も妨げます。これにより、むくみや脂肪の蓄積につながります。
代謝を促すためにも、1日1.5〜2リットルを目安に水分をとりましょう。常温の水やノンカフェインのお茶がおすすめです。一度に大量に飲むのではなく、こまめに少しずつ摂ることがポイントです。
5. 自己流に限界を感じたら専門家の力を借りる
努力しているのに体脂肪が落ちない、やり方が合っているか不安…。そんなときは、一人で抱え込まず、専門家のサポートを取り入れるのも効果的な選択です。
ジムのトレーナーやダイエットコーチ、管理栄養師などのプロは、あなたの体質や生活習慣に合わせて、無理のない方法を提案してくれます。
また、姿勢や体の使い方を整える専門家のアドバイスも、代謝や見た目の改善に役立つことがあります。迷ったときは、信頼できるプロに相談してみましょう。
理想の体型を目指すには数値の理解と整える習慣作り
理想のボディラインを手に入れるには、まずBMIやFFMI、体脂肪率などの数値を正しく理解し、現状を把握することが第一歩です。
そして、脂肪の落とし方を知り、自分に合ったチャレンジを積み重ねていくことが大切です。
その日々の努力に、筋トレや姿勢・骨格へのアプローチをプラスすれば、見た目の変化をより実感しやすくなります。
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参考:
日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」ライフサイエンス出版,2022,p2
政府統計の総合窓口|国民健康・栄養調査15 BMIの平均値及び標準偏差 – 年齢階級別,人数,平均値,標準偏差 – 男性・女性,15歳以上〔妊婦除外〕