「出産後に骨盤の開きや体のゆがみが気になる」
「腰痛や体の不調が気になる」
「体の不調を改善して、子育てを楽しみたい」
など、お悩みではありませんか?
たしかに、出産後は骨盤の開きから体型が変化します。
その結果、さまざまな不調が起きるため、産後すぐにできる骨盤ケアを始めましょう。
本記事では、出産直後からできる骨盤ケアとして、以下を解説します。
● 産褥体操
● 産後の骨盤ベルトの選び方、使い方
● おすすめの産後ヨガ
● 骨盤底筋体操
ぜひ、参考にしてください。
産後の骨盤ケアは出産直後からできる
本章では、少ない動きでできる「産褥体操」を紹介します。
出産直後は体のダメージが大きく、負荷のかかる骨盤ケアはより身体への負担になります。
産褥体操を行い、早い時期から骨盤ケアを行っていきましょう。
スキマ時間にも取り入れやすいため、ぜひ実践してみてください。
産後すぐにできる産褥体操
産褥体操は、産後の体の回復を促進する運動として推奨されています。
「産褥期」とは、出産後の母体が回復する期間をさし、産後6〜8週間ほどかかります。
この時期は、体の痛みや育児による睡眠不足で、精神的なストレスも重なりやすい時期です。
このような負担の多い産褥期には、体の回復を促す産褥体操が効果的です。
産褥体操の効果や方法は、以下の表を参考にしてください。
体操の種類 | 回数 | 効果・方法 |
胸式深呼吸
(産後1日目) |
5回 | 全身の血液循環の促進、リラックス
|
足首の運動
(産後1日目) |
各10回 | 下肢および全身の血液循環を良くする
|
頭を持ち上げる運動
(産後2日目) |
10回 | 腹筋の回復をはかる
|
腰上げ運動
(産後3〜4日) |
5回 | 骨盤下部の筋肉をひきしめ
|
下肢の運動
(産後5〜6日) |
左右交互に5回 | 腹筋の強化、姿勢の矯正、下肢の循環をよくする
|
上記の体操を1日2〜3セット行いましょう。
全て行うことが理想ですが、慣れるまでは部分的に行い、徐々に増やしていく方法でも問題ありません。
また、産褥体操には以下の注意点があります。
● 腹帯や骨盤ベルトは外して行う
● 会陰部や帝王切開の傷が痛い時には、できる範囲で行う
● 体調がすぐれない時は避ける。
上記の注意点を守りながら、産後簡単にできる産褥体操を取り入れて、早いうちから骨盤ケアを行いましょう。
本格的な骨盤ケアは産後2ヶ月経ってから
本格的な骨盤ケアは産後2ヶ月経ってから始めましょう。
なぜなら、出産後は体のダメージや出血があり、安静にする必要があるためです。
産後2ヶ月が経過するまでは、以下に意識して心身の回復を優先しましょう。
目的 | 方法 |
睡眠の質向上 | ・赤ちゃんの睡眠に合わせて休む ・友人や家族のサポートを活用・深呼吸や軽いストレッチで心身の緊張を緩和 |
適度な運動 | ・産褥体操の実施 ・短時間の散歩 |
感染予防 | ・手洗いの徹底 ・室内の換気・マスクの着用 |
精神的な安定 | ・家族や友人とのコミュニケーション ・医師や助産師などの専門家への相談・自分の時間を確保 |
産後の骨盤ケアは早めにやった方が◎
産後の骨盤ケアは、産後から6ヶ月までに行うと良いでしょう。
前述したとおり、妊娠中のホルモンの影響で骨盤周辺のゆるみが産後6ヶ月程度まで続き、ケアの効果が出やすいといわれているためです。
ただし、6ヶ月以上経過している場合でも、骨盤ケアの効果が出ないわけではありません。
6ヶ月以上経過していると、骨盤周辺の筋肉や組織が固まっている可能性がありますが、徐々に柔軟性を高めれば骨盤ケアの効果を十分期待できます。
出来るだけ早めに骨盤ケアをして、ゆがみを最小限に抑えることで、不調を感じる期間が短くなり、育児に専念できるでしょう。
産後にできる骨盤ケアの方法
産後数ヶ月は負荷の少ない動作でできる骨盤ケアを取り入れ、体調が落ち着いた後の本格的なケアを行いましょう。
産後は強い負荷のかかる動作をすると、回復が遅れる場合や、骨盤のゆがみが強くなる可能性があり、段階をふむことが大切です。
本章では、産後にできる骨盤ケアとして、以下を紹介します。
● 骨盤ベルト
● 産後ヨガ
● 骨盤底筋体操
無理のない範囲で日常生活に取り入れてみてください。
骨盤ベルト
骨盤ベルトは、妊娠初期用から産前用、産後用など、使用期間によって分類されています。
今回は産後の骨盤ケアに目的を絞り、以下について紹介します。
● 種類
● 選び方
● 使い方
産後の経過は個人差があるため、具体的な使い分けや切り替え時期は、担当医師や助産師と相談することをおすすめします。
種類
産後の骨盤ベルトは、以下の2種類に分けられます。
種類 | 特徴 |
ベルトタイプ | ・細いベルト状で、骨盤の下部を締める ・マジックテープのものは細かい調整が可能 ・出産直後に使用することが多い |
ガードルタイプ | ・ショーツなどの肌着と骨盤ベルトが一体化しており、履くだけで 装着できる ・産後のボディシルエットを整える役割もある ・ベルトタイプよりも調整幅が限られる物が多い ・悪露が落ち着いた産後1ヶ月頃から使用 |
上記の特徴のほか、ベルトタイプの中にはおしりの部分が空いてY字になっているものがあり、ベルトがずれにくくなります。
体型や産後の体の回復状態によっても適したベルトが変わるため、担当医師や助産師にアドバイスを求めると良いでしょう。
選び方
骨盤ベルトの選び方でもっとも大切なのは、ヒップサイズに合わせることです。
産後は体型が変化するため、次のような機能があるベルトがおすすめです。
● 部分的に伸縮性があり、しっかり固定される
● 肌に優しい素材の使用
● 通気性に優れているマジックテープなどの無段階調整が可能なものだと、買い替えが少なく済む
化学繊維が苦手な場合は、綿などの天然素材のベルトもあるため、体質に合わせた素材を選ぶと安心でしょう。
使い方
骨盤ベルトの装着手順は、以下のとおりです。
1. 骨盤や内臓を安定させるため、仰向けになる
腰にクッションなどを敷くとやりやすい
2. 装着位置は骨盤の一番出ている部分から、脚の付け根の間にくるように装着
3. ベルトの上下を間違えないように、ヒップ下側から持ち上げるように締める
装着位置が高すぎたり低すぎると効果が薄れるので注意
4. 呼吸が苦しくならない程度にしっかり締める
きつすぎると血流の妨げになるため、ベルトと体の間に指が入るくらいで十分
骨盤ベルトの装着は、慣れるまで何度か練習すると安心です。
最初は1〜2時間程度の短時間の着用から始め、徐々に時間を伸ばしましょう。
使用期間としては、産後1〜3ヶ月程度までが目安ですが、担当医師や助産師と相談して期間を決めましょう。
産後ヨガ
産後ヨガは、出産後の心身のバランスを整えるエクササイズです。
特に、骨盤底筋や腹部のインナーマッスルが強化できて、産後の体調不良や姿勢改善に役立ちます。
こちらでは、簡単に実践できる産後ヨガのポーズを3つ紹介しますので、日常生活に取り入れてみてください。
ポーズ名 | 効果・手順 |
杖のポーズ
(産後9週から) |
姿勢保持に効果的で、骨盤への負担を軽減
|
山のポーズ
(産後9週から) |
子育てで崩れがちな姿勢を整え、腰痛や肩こりの改善に効果的
|
月のポーズ
(産後9週から) |
体側をストレッチし、骨盤周辺の筋肉を強化することで姿勢の崩れを改善
|
これらのポーズを日常的に取り入れることで、産後の体型改善やリフレッシュに繋がります。
体調に合わせて、無理のない範囲で継続的に行いましょう。
骨盤底筋体操
骨盤底筋体操は、定番の産後エクササイズです。
以下の症状に効果があります。
● 尿失禁の予防と改善
● 内臓下垂の予防
● 姿勢改善
● 腰痛改善
など、さまざまな症状に効果があります。
早めに習慣化することで子育てに集中できて、将来の健康維持にもつながるでしょう。
骨盤底筋運動の方法 は以下のとおりです。
1. 仰向けに寝て、膝を立てる
2. 息を吐きながら、肛門と膣を5秒間引き締める
3. 息を吸いながら、ゆっくりと力を抜く
4. この動作を1日10回繰り返す
※猫背や反り腰にならないよう、姿勢を意識して行う
四つん這いや、立った姿勢でも効果があるため、やりやすい姿勢で行いましょう。
慣れたら回数やセット数を増やし、引き締める時間を長くすると効果が高まります。
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産後の骨盤のゆがみは、腰痛や体の不調など、日常生活を送るうえでの支障につながります。
できるだけ早い段階で骨盤ケアを行うことで、子育てを楽しんで取り組めるようになるほか、将来的な健康への投資にもなります。
ただし、骨盤ケアは間違った方法だと効果が出にくく逆効果になってしまう可能性があり、専門家のアドバイスが欠かせません。
適切な骨盤ケアを行うためにも、子育て経験者で運動指導のプロが教える、オンラインフィットネスがおすすめです。
子育ての合間でも、自宅にいながら無理なく適切な骨盤ケアを行えます。
産後の不調でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。
参考:宮崎県立宮崎病院 |