2025年には、世界人口の約60%が高血圧症になると言われています。
特に運動習慣のない方はそのリスクは
高いといっても過言ではないでしょう。
ではやみくもに運動を行うといいのかというと、そうではありません。
現時点での血圧レベルに合った運動があります。
高血圧とは
血管に過度の圧力がかかっている
状態を指します。
高血圧が続くと血管に負担がかかり、
血管系の疾患のリスクが高まります。
一つは脳の血管が破裂して
脳出血を起こすリスク、
また心臓はどんどん血流を送り出そうとして
次第に大きくる心肥大のリスクもあります。
心臓の動きがにぶり、
血液を全身に送り出す機能が低下します。
高血圧はさまざまな疾患を
引き起こす恐れがありますので、
定期的に血圧を測定し、
コントロールすることが重要です。
日本人における高血圧の状況
日本人の高血圧患者数は
高血圧の有病率は約40〜60%程度
約4,500万人と予想されています。
実に日本人の3人に1人が高血圧なのです。
高血圧性疾患で通院・継続治療を受けている人は
約1,610万と
半数以上の方が治療を受けていないと言われています。
食生活の欧米化や人口の高齢化に伴い、
今後も増加すると考えられています。
早期対処が大事な理由
この図のように、高血圧は比較的上流にあります。
早期に対処改善することにより、
重大な疾患を未然に防ぐことができます。
これは高血圧に限らず、
血糖値や脂質異常症などの
生活習慣病すべてに言えることです。
運動における高血圧改善
スイス・バーゼル大学のハンセン教授は、
「高血圧症の人では、有酸素運動による降圧の効果は、降圧薬を1回服用する場合と同じか、またはそれ以上です」
また、
「ほとんどの運動では、血圧降下の効果は投薬と同様に約24時間持続するため、可能であれば毎日活動することが最善である」
と述べています。
血圧数値から見る適した運動の種類
血圧の数値で最も運動効果のある
プログラムをお伝えします。
高血圧症
血圧140/90mmHg以上の人は、
有酸素運動が効果的です。
自分のやりやすい運動で構いません。
ウォーキング、ランニング、
サイクリング、水泳などが含まれます。
正常高値
血圧130-139 / 85-89 mmHgの人は、
筋トレが効果的です。
背中、胸、腕、肩、脚、ふくらはぎでなど
全身まんべんなく行います。
スクワット、腕立て伏せなども効果的です。
正常血圧
血圧130/84 mmHg未満で正常の人も
運動が高血圧予防に効果的です。
ハンドグリップや
アイソメトリック筋力トレーニング
運動が効果的です。
※アイソメトリック筋力トレーニング:静的動作トレーニング”とも呼ばれ、筋肉を伸縮させずに一定の姿勢をキープして負荷をかけるトレーニング
運動の負荷設定
運動を定期的に行っている方は、
どれくらい行えばいいかなんとなく分かる
と思いますが、全く経験が無い方は、
“無理をしない”ことが重要です。
METs(メッツ)は身体活動の
強度を表す単位で、
横になったり、座って楽にしている状態を
「1」とした時と比較して、
何倍のエネルギーを消費するのかが分かります。
高血圧症にお勧めの運動
血圧140/90mmHg以上の人は、
まずはウォーキングがベストです。
特別な器具が必要なく、
フォームを習う必要もありません。
全く運動をしていない方は10分から始めて、
息が上がらない程度でできてきたら、
15分、20分と増やしましょう。
毎日歩く事がポイントで、
胸を張って堂々と歩きましょう。
正常高値にお勧めの運動
血圧130-139 / 85-89 mmHgの人は、
自宅で行えるスクワット、
腕立て伏せがおすすめです。
スクワットはしゃがみ込む深さを、
浅めから行い10回できるようになったら、
深めと負荷を上げます。
10×3セット、インターバルは一分で
息があまり上がらない、
次の日の筋肉痛がなくなってきたら
負荷を上げます。
毎日行うことがポイントです。
正常血圧にお勧めの運動
血圧130/84 mmHg未満で正常の人は
比較的運動強度の低い運動でOKです。
ヨガやピラティスも効果的でしょう。
ジムに通ってもいいし、
お家でyoutubeを見ながら行うと
継続しやすいですね。
効果は薬と同様
スイス・バーゼル大学のハンセン教授は、
「ほとんどの運動では、血圧降下の効果は投薬と同様に約24時間持続するため、可能であれば毎日活動することが最善である」
と述べています。
最後に
ハンセン教授が述べているように、
毎日行うことが望ましいです。
コツコツ行うことが、
数値改善につながり、
自分の身体に良い結果となって現れます。
習慣化が大事で、歯磨き、
洗顔、と同様の位置づけで
運動を取り入れましょう。
継続できるようにフィットネスコミュニティを運営しています。
会員の多くは高血圧が気になる年代の方です。